木造住宅の問題とプレキャストコンクリート住宅の比較
木造住宅は日本で最も売れている住宅ですが、問題も多い構造です。
もちろん良いところもたくさんあります。良いところ悪いところをちょっとピックアップしてみましょう。
木造住宅の良いところ
- 苗を植えれば木が育ってくる
- 軽量で人力施工も可能(現在はクレーン)
- 柔らかく加工しやすい
- 国内調達が可能
- 日本は今、歴史上最も多い森林資源をもつ状態
- 廃棄が簡単(焼却)
木造住宅の悪いところ
- 長持ちしにくい
- 燃えやすい
- 災害に弱い
- 虫や菌に食べられる
- 歪む
- 高性能化しようとすると構造が複雑になる
いま、木造住宅がエコということで盛んに押されていますが、災害大国の日本ではどうなのかな?
と思うことがあります。
とはいうものの、私たちも屋根に木造を使っていたりしますので、良いところは良い、と思っています。
プレキャストコンクリート住宅との比較
ここで木造とPCa構造の比較をしてみましょう。
木造 | プレキャストコンクリート住宅 | |
素材の供給 | 国内供給が可能。 実際には外材を多く輸入。 木を植えれば半自動で育つ所が素晴らしい。 CO2固定能力が最近注目される。 | 国内供給が可能。 セメントの原材料はほぼ国産 砂利・砂・水は完全国産 |
リサイクル | サーマルリサイクル(燃やして燃料) 一部は建材などに | 砕いて砂利・砂としてリサイクル |
長持ち | 普及菌、白アリ、火事などに弱く長持ちしにくい。 法定耐用年数22年 | 長持ちの代名詞。北欧ホームズは200年耐久の設計。 法定耐用年数47年 |
加工 | 柔らかく加工しやすい。 手工具でも家を建てられる。 | 硬化前は自由自在な形状。 硬化後は固く加工が困難。(長持ちの原因) |
地震 | よく気をつけて設計しないと地震で倒れやすい。 | 大地震でも98%程度が無被害か軽微な損傷 |
火事 | 燃えやすい木を不燃材で囲わないと火事に弱い。 | コンクリートは不燃材料の代表。 |
水害 | 流されやすく、床上浸水すると壁内の断熱材をすぐに取り出さないと、木材が腐る。 | 非常に流されにくく、2階3階建てであれば垂直避難をすることが可能。 水に濡れても躯体が腐ることはない。 |
土砂災害 | 華奢な構造のため土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)には建てることが出来ない。 (コンクリート製の待ち受け擁壁で対応可能) | がっちりした構造のため、土砂災害でも流されず、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)でも建築が可能。 |
機械化 | プレカットまでは機械化できているが、その後は現場での組み立て工程が多い。 そのため狭い現場でも施工が可能。 大型パネルかも少しずつ進む。 | 工場でパネルをつくるので、現地での工程が少ない。 パネルを運ぶトラックとクレーンが入らないと工事が出来ない。 |
木の香り | 気密シートにより構造の木のにおいをかげる事が減ってきている。 | フローリングなどは無垢の木をつかうので、木の匂いが好きな方でもOK。壁床にももちろん使えます。 |
いかがでしたでしょうか?
木造とプレキャストコンクリート住宅、思いっきり反対な感じですよね。
木材というものは人類にとって身近に繰り返し生え、加工が容易という素晴らしい素材だったと思います。
現代においてはトラック・クレーンは非常に身近なものであり、プレキャストコンクリート住宅の建築は難しい状況ではありません。
順番に考えていくとプレキャストコンクリート住宅の良さをわかってもらえるのではないでしょうか。
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