プレキャスト

壁式鉄筋プレキャストコンクリートの家

北欧ホームズは壁式鉄筋プレキャストコンクリート造と呼ばれるでできた家です。

プレキャストコンクリートとは事前(プレ)に型にはめて作った(キャスト)コンクリートとなります。
工場で壁と床の板をつくり、それを現場で組み立てるというある意味とてもカンタン、単純な工法です。

プレキャストコンクリートの対になるのが現場打コンクリートです。
現場打コンクリートとは生コン工場から生コンを運んできて、現場で形にする方法で日本では約86%程度が生コンでコンクリート構造物が作られています。

プレキャストコンクリートのメリット

私たちはプレキャストコンクリートを長く扱ってきていますが、どのようなプレキャストコンクリート製品にも共通のメリットがあります。

  • 高品質 品質管理された工場で作っているので品質が高く安定している
  • 省力化 工程が圧倒的に少なく、難しい工程が少ないため人手を減らせる
  • しずか 生コン打設に使うバイブレータが必要ないので静か
  • はやい 工場で形を作っているので現場では設置するだけ
  • 低負荷 現場での木製型枠などが不要なため環境にやさしい
  • 低価格 トータルコストで考えるとコストダウンができる 

プレキャストコンクリートのデメリット

メリットもあればもちろんデメリットもあります。

  • 難加工 一度硬化してしまうと加工が困難です
  • 大きさ 運搬できる大きさまでなので、大きいものを作るときは分割が必要
  • 規格 基本的に決まった規格での製造になるので、特別な形を作りにくい

ポイント

【結論】 PC(RC)住宅は外断熱化する事に高性能の家になります。

  • RC住宅の普及率は低く、その中のPC住宅はもっと普及率が低い
  • 沖縄ではRC住宅が普及している(台風、白アリ)
  • 壁式PC(RC)住宅は安全性が非常に高い
  • PC(RC)住宅の弱点は断熱性能(結露の発生)
  • 打ち放しコンクリート住宅は断熱的に非常に問題
プレキャストコンクリート住宅を組み立てる写真(参考)


よく見るプレキャスト製品と現場打ちコンクリート

プレキャストコンクリートとして皆さんがよく目にするものとしては、道路の側溝、造成に使う擁壁、ブロック塀、河川の護岸ブロックなどがあります。

プレキャストじゃないコンクリートは?ということになるのですが、一般的に現場打コンクリートと呼んでおり、まさに必要とする現場で型枠を組みその場にコンクリートの構造をつくります。

プレキャスト化率

前述した側溝や擁壁などは現在では大部分がプレキャスト製品となっており、現場の省力化、工期短縮、高品質化に役になっています。

日本では約14%がプレキャスト化されていますが、欧米ではより利用が進みデンマークなどでは49%がプレキャスト化されています。

2倍以上の差となっていますが、これは主に建築分野でのプレキャスト製品の利用率が効いています。

住宅とコンクリート(プレキャスト含む)

日本において戸建て住宅は90%が木造住宅であり、皆さんにとって一番馴染みの深い構造だとおもいます。コンクリート住宅は1%以下と非常に珍しい構造となっています。
ちょっと面白いのが沖縄では87%がコンクリート住宅となっていることです。これは台風や白アリ被害が激しく木造ではなかなかきちんと長年持つ家にすることが難しいからのようです。

なぜコンクリート住宅が普及していないのか

コンクリート(RC、PC)造は強く長寿。家として理想的。

沖縄でコンクリート住宅が普及している原因として、台風や白アリへの強さをあげましたが、まさしくここが重要でして「頑丈で長持ち」なんですね。

コンクリート(RC、PC)造の弱点は断熱にあり

コンクリート住宅と聞いて想像するのはコンクリートがむき出しとなった打ち放しの構造ではないでしょうか?
この構造は外も内もコンクリートだけで出来ており、マッシブで力強さを感じさせます。
しかし内も外も打ち放しというと断熱材を入れるところがありませんからとにかく寒いんですね。
木造ですと柱と柱の間に断熱材を入れられるのですが、壁式コンクリート工法では壁の中はみっちりとコンクリートが詰まってますので。

打ち放しの内外装でない場合、室内側に数センチの発泡系の断熱材を貼り付けます。
しかし厚さが15cm~20cmもある蓄熱性能の高いコンクリートからの熱気、冷気を僅か数cmで止められることはなく、結露や温熱環境の悪さに悩まされます。

沖縄で普及しているのはまさにこの弱点を感じさせないからなんだからと思います。
年中暖かいからコンクリート住宅の弱点が出ない。

逆の環境の北海道ではブロック造(コンクリート造の仲間)の住宅を普及させようとしましたが、結露に悩まされ結局普及に至りませんでした。

ヨーロッパでは外断熱化で解決

コンクリート住宅の本場であるヨーロッパでもこの結露に悩まされた過去があり、家の中は結露でびしょびしょだったようです。
そのヨーロッパで断熱材を外に貼り付ける外断熱工法が開発されると、コンクリート住宅の弱点は一気に改善しました。これまで制御の難しかった蓄熱量の大きいコンクリートが断熱ラインの内側に入ることになりました。
これにより生活の温度とコンクリート躯体の温度がほぼ同一となり、極めて安定した温熱環境を手に入れることが出来ました。

外断熱へのためらい

しっかりとしたコンクリートの構造の外に柔らかい断熱材を設置するのはエンジニアからするとためらいがあります。
また、厚い断熱材を外部に設置し外壁をその先に置くのはなかなか難しく一筋縄ではいきません。

北欧ホームズの外断熱 独自開発技術

北欧ホームズでは研究の結果、標準で200mmの厚さのグラスウールを外断熱として設置することにより住宅として頑丈で暖かい、と理想的な環境にすることができました。

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